はじめて企画を立てる際に起こりうる、3つの問題点

 昔、ゲーム制作会社に勤めていた頃に上司に言われた言葉があります。

 「面白さを直接説明できる仕事仲間に伝わらない企画は、ユーザーにも伝わらない」

 これは今でも大切にしている言葉です。さらに、私なりにこの意味を噛み砕いて考えると、この言葉の裏には以下の3つの問題点があるのではないかと思えてきました。

 

●イメージが曖昧
 頭の中だけでぼんやりイメージしているだけだと、どうしても都合良く考えてしまいがちです。
 たとえば問題や欠点から目を逸らす、細かいディティールがないのにあるように解釈する。あるいは面白いと感じる要素が既存の作品から影響を受けているために、その作品の完成度をイメージの中で混同してしまう。
 などなど。

 

●アウトプットが上手く出来ていない
 もし仮に、企画が本当に面白いものだとしても、それを言葉で上手く表現できないために相手に面白さが伝わらないケースもあります。
 「面白い企画なら言葉で表現できずとも問題ないのでは」と考える方もいらっしゃると思います。ですがそもそも表現出来ていないものが面白いかは、証明する手段がありません。言葉で表現できないという時点で表現の仕方、あるいは前述のようにイメージ段階で問題があると見て良いでしょう。

 

●キャッチーさ、シンプルさが足りない
 どうしても外せない譲れない骨子以外の要素は、なるべくキャッチーかつシンプルにした方が良いでしょう。過度にオリジナリティ・リアリティをこじらせた結果、全体が分かりづらくなってしまっては元も子もありません。入り口に何か興味を引く要素がなければ、手にとって貰える機会すら減るでしょう。
 また、そういった判断と対応が出来ないのならば、悪い意味で意固地になっているか、あるいはやはり前述のように骨子のイメージが明確でないという可能性もあります。


 さて、ここまで3つほど「企画でありがちな問題」を書きましたが、これらの問題を無くす方法は意外と単純です。
 明文化、最低限の形にして、信頼できる友人に見てもらう事です。
 「イメージが曖昧でないか」「必要な情報をアウトプット出来ているか」「キャッチーさがあるか」は、やはり第三者の目で判断してもらう事が一番です。
 そして貰った指摘について取り入れるか否かは自分次第ですが、どちらを選択するにしても「理由」はしっかりと明示しましょう。
 少々堅苦しいかと思いますが、こういった企画の問題点は、慣れてくれば無意識に回避できるようになる筈です。

 

 これはあくまで私の持論であり、商業寄りの考え方ではあります。ですが個人の趣味による創作活動でも当てはまるとも考えています。多くの創作活動は「誰かに見て貰いたい」という意識がある筈です。ならば、企画する際に大切な要素はそこまで変わらないのではないでしょうか。もちろん、趣味であるならば楽しさ・自由さは優先されるべきですが、それらを優先した上で上記の事を意識しているといないとでは、出来上がってくるものが変わってくると思います。

 

 さてさて、長くなってしまったので今日はこのあたりで。
 「企画の立て方」「効率の良い進め方」といった話の方が建設的だったのかな……?
 なかなかブログの記事を書くのは、いや記事の内容を選ぶのは難しいですね。

 どうにも偉そうな書き方になってしまったとも思いますので、私自身、私の持っているこの考え方を軸に小説を書いて行こうと思っています。
 こんな言い方をするとどうにもハードルを上げてしまう気もしますが、私自身上記の3項目を抑えられているかは不安ですので、練習・確認・実践、そんな軽い形で見てもらえれば幸いです。
 流石に明日いきなり発表とはいきませんが、日々の記事の中で進捗についても書いて行きます。

 

 

 それではまた、この世界の片隅でお会いしましょう。